2015年11月25日

渾身の改訂と廉価版、同時リリース

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このコーナーをスタートし、一番最初に紹介したのが Micronesian Reef Fishesであった。 本書はそれの改訂版。初版から10年を経た改訂はタイムリーであり、ミスプリントの箇所を訂正し、新しい知見も加え、掲載種も増えボリュームアップ(特にハゼの仲間の写真は大幅増)である。本書にはソフトカバー版(写真手前)とハードカバー版(写真後方)がある。実は前作も両方あるが、その内容や写真は当然すべて同じものである。違うのは価格だけ。もちろんハードカバーのほうが製本もしっかりしており高価。しかし、この改訂版では両者でその記述が異なっているのが特徴。というか、なんでわざわざそんなこと!という感じである。 ソフトカバーの方は「ダイバーとアクアリストのフィールドガイド」と書かれており、記述内容も専門性が抑えられている。本書の特徴だった、精密な線画による種や属の違いなどの解説欄は大幅に削除。種ごとの記述は、まず英名が太字で示され、その下に学名。従来書かれていたシノニム名や、体の形質(背鰭の棘条数など)はすべて省かれている。 もともと学術使用に堪える難しく分厚い解説欄だったので、これらが省かれた内容でも一般の図鑑としては十分詳しく不満は無いだろう。しかし、個人的にはやはり完全バージョンのハードカバーのほうをより推奨したい心境だ。本書は本の大きさからすると内容の濃さがハンパなく奥深い。本書の内容を諳んじれば、名うてのスーパーガイド達からも一目を置かれのは間違いない。  しかし「そこまで専門的な内容はいらないよ」という方が一般的なのも事実。そして書は売れなければ意味が無い。その為の廉価版がソフトカバーバージョンと言うところか?このようなケースは本書が初めてであり、意欲的と捉えるべきか? 次回の改定でも同じ手法で来るのだろうか? 著者はロバート F マイヤーズ。出版は1999年、改訂第3版である。
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posted by anthias at 15:31| 魚図鑑あれこれ