2017年08月23日

フグ博物館

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先日訪ねたフグの博物館。場所は大阪の岸和田市にあり、「町のフグ博士」として有名な北濱喜一先生の私設博物館、例によって入館無料、ただし要予約である。先生は予科練出身、戦後は船乗り、その後、超一流のフグ料理人(先生のお店は現在ミシュラン2つ星)となり、そしてふぐ毒の研究者。フグに関係する著作は多数あり、その内容はフグに関して非常に幅広い。 館内で眼を引くのはフグの骨格標本。ずらりと並び、フグ提灯も多数。しかし、何よりも北濱先生のお話がこの博物館のメインだ。先生こそが博物館そのものである。

実は今回の訪問は2回目で、1度の訪問ではとても先生のフグに関する説明等を理解しきれず、頭を整理する必要があった。そして最大の疑問点、メバリテンジクフグ(北濱先生の命名?)なるフグの存在である。 1度目の帰りに2度目を約束し(あつかましくもと言うべきか)そして自宅でいろいろ調べてみた。しかし、このフグの名前は現在の魚類図鑑の中には見つからない。どうやらケショウフグのことだと分かったがそこで行き詰った。

1978年に北濱先生が大阪湾南部の定置網に入った個体を調査し、同年8月30日、毎日新聞の紙面にて発表したという経緯を2度目に伺った。本種はその後、1981年に日本初記録種として正式に報告される(魚類学者による)しかし、その分布域に大阪湾は含まれず、メバリの名も記述されず、名前はケショウフグと付けられた。 神奈川のS先生に教えていただいたが、1984年の日本近海産フグ類の鑑別と毒性(厚生省編)にはケショウフグの欄に別名でメバリの名前が書かれている。
しかし、これ以後、北濱先生の著作を除いてメバリの名前は見つからない。大阪湾の分布にも触れられていない。北濱先生はフグ全般の知識は膨大で魚類学者でも及ばないが魚類学者ではない。それゆえ正式な分類学の手順、手続きにはとらわれない発表の仕方であったのが惜しまれるが、相当な苦労の末メバリにたどり着いたようだった・・・・。

続く。


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写真は先生の著作。一番右端の「フグ大学」(保育社)はサイン入りで新品を頂戴した。
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posted by anthias at 13:00| 日記