2019年06月17日

ハナキンチャクフグ

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本種は串本で普通に見られる魚のひとつ。中でも幼魚(上の写真も)は当然だが小さく可愛い。しかし、成魚は恋のシーズンとなると話がちょっと違う。人間に可愛いとか不細工などと評価してもらうために彼らは生きているのではない。厳しい存競争の中で、同種同士でも戦わなければならないときがあるのだ。
6月の串本で見つけた2匹は、最初しばらく平行に並びあうように泳いだ後、突然、噛みつき合いを始めた。すぐにぷくっと膨れた双方の力は拮抗しており優劣がつけがたい。側で見ている私には目もくれず戦いは続く。時にはそのままくるくる回り位置を入れ替えたり、噛みつきあいながらもクイックな動きで上下左右に移動し、相手を砂地に押し付けたと思ったら、立場が逆転し今度は自分の方が砂にまみれたりしている・・・。まるで、激しく技を繰り出す武術の試合を見ているかのようで、普段ののほほんとした彼らの雰囲気は嘘のようだった。下の写真はそんな2匹の激しい戦いの様子。実際の噛みつきあいは20秒もなかったと思うが、見ごたえのある戦いだった。
キタマクラ属(もちろん本種も含む)の学名 Canthigaster は「棘」と「腹部」の意味からなる複合語。腹部は多少ザラザラしているが、棘というほどではない。膨らんでいるときはその感触を確かめるチャンスであったが、こっちが噛みつかれそうでそんなことはできるムードではなかった・・・・・。

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posted by anthias at 06:58| 魚の話